140字外のぬすんの独壇場

怪しい小動物がまだまだ語りたいそうです。聞いてあげてください。

私にお酒を教えてくれたおじいちゃんが亡くなった。思い出を語らせて欲しい。

おじいちゃんと言えど血の繋がりはない。
簡潔に言うと通っていた教室の“先生”だ。

わたしが幼い頃から丸14年程お世話になった先生。

何の教室かと言えば お抹茶の先生。
穏やかな先生で物凄く可愛がって頂いた。

先生は私が成人すると共に酒を勧めた。
私がある程度飲める、好む、と知ると、
どんな時でも酒を注いで飲ませてくれた。
『飲んどるかね?』とお酒を注いで下さった。

盃では足りんだろ!と食事の際に酢のものだとか
前菜の入っていた器をぐい呑みとか猪口として
使えと美味しいお酒を飲ませて下さった。

可愛がって頂いた反面怒られたこともたくさんあった。
何度でも怒られて良いから初めてお会いした頃に
戻りたくなるほど素敵な先生だった。

派手な装飾は嫌われ、お話を聴くと
色んな背景やお話を嬉々としてして下さる先生で
豊富な知識量は尊敬するばかりだった。

一番面白かったのは床の間に飾っていた大きな牡丹の花で
教室に浸入したアシナガバチを射止めた時で
繚乱と派手に咲き乱れた牡丹の花で一撃で…
衝撃的過ぎてよく覚えている。

あと1度だけ先生の運転するお車に
小一時間乗せていただいたこともあったけれど、
1度だけの経験で良かったと思う(察して)

時に可愛らしく時に厳しく
色んな側面を見せて下さる先生だった。

明日はお別れだから、
きちんとこれまでの感謝や
思い出を整理したいと思う。

本当に沢山可愛がって頂いた。
ありがとうございました先生。

きっと日本酒を飲む度に
先生を思い出すんだと思う(抹茶じゃないんかい!)

大好きでした。